【 06年12月17日 】ウイルスと抵抗力

最近、ニュースで騒がれているのがノロウイルスだ。ノロウイルスというのカキなどの二枚貝に生息し、人間の体内に侵入して増殖する細菌である。カキなどの体内では繁殖することができず、人間の体内に入ってのみ、繁殖できるという厄介な存在である。この世に人間がいなければ存在できない細菌だ。

このノロウイルスという日本語にすると変な名前であるがこれはアメリカのノーウォークにある小学校で集団感染が初めて発見されたのでNorwalk virusと名付けられ、それを略してNorウイルス=ノロウイルスと呼ばれるようになった。

感染すると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などが起こる。一見、風邪の症状と似ているが風邪のように、咳が出たり、間接の痛みなどの症状がないので風邪と区別できる。

ノロウイルスは最近ニュースなどで初めて聞いた人が多いと思うが実は毎年、はやっているのだ。ただ、今年ははやる時期が早いのと、感染力の強さで話題になっている。例年は1月から2月に流行しているのだ。

ウイルスといえば一番メジャーなのはインフルエンザを始めとする風邪だろう。この風邪のウイルスの特徴もノロウイルスに似て変な特性を持っている。

風邪のウイルスはどこから来るのか?

風邪のもともとのウイルスは香港のアヒルや鴨の体内に住んでいる。人間に感染することが風邪ウイルスの最終目的であるが、風邪ウイルスは人に感染することはできない。そこで、風邪ウイルスはアヒルから豚に感染経路を移し、そして豚の体内に入り込む。豚の体内で風邪ウイルスは人間に侵入できる形に変化し、人間に侵入するのだ。だから香港のアヒルか豚を絶滅させればこの世から風邪がなくなるということだ。

『香港A型』『香港B型』などと名前が付くのはこのためである。

風邪を一発で直す薬はこの世に存在しない。もしそれを発明できたら『世界最高の発明』となりノーベル賞間違い無しと言われている。

なぜ薬ができないかというと風邪ウイルスは毎年、形を変えて生まれてくる。人間の体内に入ってからも形を変えて増殖する。だから一種類の薬を作っても何の役にもたたないのだ。

風邪の特効薬はあと200年は作ることができないそうだ。それはなぜかというと、香港のアヒルの体内には200種類の形のウイルスが存在し、それが毎年現れてくるので、最低でもあと200年はイタチごっこが続くということだ。

現代社会は『抗菌仕様』の物が多い。日常品、洗剤などありとあらゆるものが抗菌されている。そのせいで人間の抵抗力が弱くなっているのだ。赤ん坊の哺乳ビンなどの洗浄も今は当たり前のように抗菌であるが、これが一番最悪である。子供は細菌と接することによって抵抗力をつけていくものである。そうして強い抵抗力を持った人間になる。それが子供の頃に細菌に接しないので抵抗力がつかない。一生、細菌と接しない人生をおくれるならばいいのだが、世の中は細菌だらけである。昔の子供は抗菌など使わずに大きくなったので強い抵抗力を持っていた。現に私も泥水を飲んで遊んでいることも多かったので現在は風邪もまったくひかない健康人間である。

o-157、サーズ、鳥インフルエンザ、ノロウイルスと近年に騒がれるのは抗菌仕様が世の中に増えたことが原因の一つではなかろうか…と私は考えている。