【 07年07月08日 】毒虫注意

梅雨が明ければ夏本番。夏になると虫が出るわけだが、

ブヨ』という虫をご存じであろうか?

この『ブヨ』というのは蚊の10分の1ぐらいの大きさで蚊と同じように血を吸う虫である。刺されると痛みと、かゆみに襲われ、場合によっては熱も出る。刺された場所はコブができたように腫れてしまう。しかし、人によってはかゆみだけで大事に至らない場合もある。

『ブヨ』はきれいな水があるとこにしか生息しない。よって、家などで刺されるということはない。山や川に生息しているわけであり、よく山や川に出向く私は幾度もこの『ブヨ』に刺されている。

高校生の頃にある山に登った。頂上に着いて昼寝をしていたのだが、なぜか左足だけズボンをまくりあげて寝てしまった。起きてみると何やら足が痛かゆい。良く見ると9カ所が腫れている

「ブヨだ!!」

すぐにそれに気が付いた。ブヨに刺されると中心にポツンと赤い点ができる。みるみる腫れが大きくなり、足がパンパンに膨らんだ。靴も脱いでいたため、足首はくるぶしが分からなくなるほど腫れてしまった。

「これはまずいぞ。下山できない…。」

足首は曲がらず、腫れているため靴もはけない状態なので足をタオルで縛り、靴をふんずけた状態にし、ひもで足を縛りつけた。足首はほとんど動かない。しかも鬱血した状態で足を地面につけただけで激痛が走る。

「ケンケンで降りるか…。」

と思ったが、ザックの重さは30kgだ。到底無理な話し。痛みをこらえ下山。もう足を切り落としたい気分で下山し、何とか帰ることができた。

社員で山梨にキャンプに行った時もブヨに襲われた。あの山以来、ブヨに刺された時の応急処置を考えた。

それは、

ナイフで毒を抜く』ことである。刺された場所をナイフでスパッと切り、毒を絞り出す荒技だ。

このキャンプで半袖、半ズボンで釣りに夢中になっていたら手足を数えきれないほど刺されていることに気が付いた!急いでナイフを取り出し、片っ端にナイフで患部に刃を入れ口で毒を吸い出す。みるみる腫れが引いていくのが分かる。

ところが…

腕の後ろや、足の腿の裏など口が届かない場所がある…。30カ所は刺されたが20カ所ぐらいは処置ができた。残りの10カ所は放置するしかない。

痛みとかゆみが増してくる。熱も出てきた。

キャンプから帰宅した夜には手足がパンパンに腫れてどうしようもなくなった。

不本意だが病院に行くことにした。なぜなら明日は引っ越しの手伝いをする約束があったので早急に回復する必要があったのだ。

夜ということもあり緊急病院を探したが、たらい回しにされた後にやっと診てもらえる病院にたどり着いた。

先生「どうしましたか?」

AXE「ブヨに刺されまして…。」

先生「こんなに大量に刺されたの?こりゃ重傷だ。」

AXE「釣りに夢中でして…。」

先生「ところで、体中傷だらけなのはどうして?」

AXE「いや〜ナイフで毒を出しまして…。」

先生「何ーーー!そんなことしちゃダメだよ。確かに効果的な手段ではあるが、そんなことする人はいませんよ…。」

おまけに看護士さんは

看護士「ワァ〜凄いことしますね(笑)」

その後、先生が衝撃的なセリフを言いました!

先生「一日入院して点滴打ちましょう。」

AXE「えっっ!にゅ、入院ですか!!!無理ですよ!明日引っ越しがあるので!!」

先生「ひっ、引っ越しって!!無理だよ、その体じゃ。入院しなさい。」

AXE「いや、無理です。薬ください。」

先生「…。弱ったな。じゃあ、塗り薬出すので家で安静にしててくださいよ。引っ越しは、おやめなさい。」

ということで帰宅。薬をあちこちに塗って安静にしていました。

そして翌日。完全回復!!!

とはいきませんでした。熱もあるし、まだ幾分、足が腫れている。薬を塗り包帯をぐるぐる巻きにしてジャージに着替えて出発。

ピアノやら家具やらを痛みに耐えながら運びました。


病院に行った時に先生に質問してみた。

AXE「どうして私はブヨに刺されるとこんなに腫れるんですか?ぜんぜん腫れない人もいますよね?」

先生「君はね〜、普通の人より抵抗力が強いんだよ。体内に毒が入ってくると即効で毒をやっつけようとするんだよ。全力で排除する力が働くから腫れるし、熱もでるんだよ。普通の人より生命力が強い証拠だから、いいことだよ。」

なるほど!確かに3日目には腫れもかゆみもなくなり完全回復する。周りの刺されても腫れない人は何日も、何カ月も、ひどい人は何年もかゆみが残るという。

『症状がひどいがすぐに治る』
『症状は軽いがなかなか治らない』

はたしてどちらが良いのか疑問である。



それからまたある日、福島県にキャンプ&釣りに行った時、ボートにのっていて、またしてもブヨに刺された。ところがナイフを忘れたことに気が付いた。同じボートにのっていた山田マネージャーに

AXE「ナイフ持ってないか?」

山田「ハサミしかないです。」

AXE「じゃあハサミでいいや。貸してくれ。」

借りたのは釣り糸を切る小さなハサミ。そのハサミで


ブチン!!

と患部を切り裂いて毒を吸い出した。

AXE「山田、ブヨに刺されたら俺に言えよ。このハサミで切ってやるから。」

山田「…。刺されても絶対に言いませんから。」

AXE「…( ´・ω・`)ショホ゛ン 」


みなさんも夏の毒虫には気を付けましょう。