【 07年07月15日 】タイフ−ン前編
今年は早くも大型台風がやって来た。しかも過去最大の最強クラスの台風だという。
雪や台風はいつも狙ったように土日にやって来る。いやがらせのように。営業中止という最悪のシナリオは勘弁してほしいものだ。
先々週も海での台風の話だったが今回は、キャンプでの台風の話。台風の中でのキャンプは『危険』というより『つらい』と言う感じであった。
場所は長野県王滝村。この村は1984年に起きた『長野県西部地震』で大きな災害を受けた有名な場所である。『地震+雨』で土砂崩れが10km下り、犠牲者が30名も出てしまった経緯があり、地盤のゆるい山である。
この王滝村の奥には部落がある。その部落には30世帯ほどしか住んでいない。
その部落を越えた山の中には、あるものが存在するという噂を耳にした。
それは…大昔に隕石が落ち、その時できたクレーターが池になっているという噂である。なんと冒険心をくすぐるのだろう。男のロマンだ。
その情報をキャッチしたのは冬であったが、いてもたってもいられずテントを持って友人2で、この王滝村に向かった。
そこは険しい山道が続いていた。キャンピングカーにマウンテンバイクを積み込み出動したのだが、チェーンも持たずに来てしまった。雪は降っていなかったが一面に雪が積もっている。4WDのキャンピングカーであったので、なんとか雪道を走ることができた。
既に使われていない道を進んでいくと小さなトンネルが現れた。そのトンネルは車1台がやっと通れる程の狭いトンネル。ゆっくりと侵入してみると、なんと…
360度、全面、氷で覆われているではないか!!
氷でできたトンネルと化していた。ちょっと滑ると壁に激突してしまうトンネルをツルツル滑りながら車を前進させる。なんとかトンネルを抜けた!
左手に川が流れているのだが、そこに大きな滝を見つけた。だがその滝は全面凍結していてガチガチに凍っているのだ。川が完全に流れを止めている状態だ。
なんと寒いのだろう!!耐えがたい寒さの中、『隕石でできた池』を探しにさらに奥へと進む。雪で進めない道はマウンテンバイクで探索を続ける。
そこで面白い物を見つけた。既に使われていない『線路』を見つけた。おそらく、戦前に使われていた登山鉄道ではないであろうか。線路は茶色くサビ、枕木は腐っている。その線路を『スタンドバイミー』のように歩いて行くと、小さな橋を見つけた。その橋は鉄橋になっていて、30mぐらい下には川が流れている。テンション上がった私は
「ヤッホー!!!」
とその橋を渡った。その時…
バキバキッーーー!!
「ワァーーー!!」
なんと、線路の枕木に足を乗せた時に枕木が割れたのだ!!私は橋から下半身を中ブラりんな状態になってしまった!!
下を見ると30m下に川が見える。
「このまま力尽きたて落ちたら即死だな。」
腕の力だけで這い上がることができた。日ごろの筋トレのおかげだ。
そのころ友人は橋の手前でゲラゲラと笑っていた…。
この直後、木の板が割れて落ちます…
奥へ進むが辺りは雪でどこもかしこも真っ白だ。良く考えると…
「池が凍って雪が積もれば池なんて発見できないじゃん!!」
「オーマイガット!!ガッテムサノバビッチ!!」
ということで断念することにした。
そして翌年の夏、リベンジする機会がやって来た!!
「夏なら池を発見できるぞ!!」
と4人で出発。今回はテントを持ち、愛車のパジェロ(今のパジェロではない)で王滝村へ乗り込んだ。車を走らせるとバラバラと砂と石が崖から落ちてくる。地盤がゆるいことを痛感する。
テントを張る場所を探すが、平な場所がなかなか見つからない。かなり奥まで場所を探して進み、川の近くに、なんとかテントが張れる場所を見つけた。川の反対側は垂直に近い崖が切り立っている。時折、小さな石が降って来るのだが…ここしかないのでテントを張る。
その後、いよいよ『隕石でできた池』を探しに行く。今回はパジェロで来たので機動力は大きい。冬に来た時よりもさらに奥まで侵入した。
しかし、探せど、探せど発見できない。夕暮れになり天候が悪化してきた…。
結局、『隕石でできた池』は…この日は発見できなかった。
日もくれ始めテントに戻る。夕食をとった後から雨が降り、風が出てきた。
そう、台風です。余談が長すぎましたが、やっと本題に入ります。
台風接近です。とりあえずテントに避難する。3人は1日の疲れと「小野さんがいれば大丈夫!」と、早くも寝袋に入る。私は台風が気になりコーヒーを飲みながら状況を観察していた。
夜中の1時頃、事態は急変した!
つづく…。