【 07年08年26日 】見ちゃった
あれは20歳ぐらいの時であろうか。
夜中に相模湖までバイト数人で遊びに行った時だ。
怖いスポットめぐりなんてしていたからこんな経験したのだろうか?
その夜はアルバイト12人ぐらい、車3台で相模湖近くにある廃墟に肝試しにいったのであるが、ボロボロの廃墟に進入し、それなりに怖い経験をした。
しかし、
ただそれだけのこと。別に幽霊が出たわけでもないし、誰かがとりつかれたなんてことは全然なく、ちょっとした夏のイベントとして楽しんだのであった。
夜中の3時をまわり、飯でも食って帰りましょうなんて感じで車に乗り込んだ。私の車は前から2番目で走っていた。
数人はすでに眠りについている。がらがらの道を3台の車が走り抜ける。
小さな橋が前方に見える。外灯が明るくその橋を照らしている。
橋の中腹にたどり着いた時、前方に何かが見えた…
『黒い服を着た女の人』だ。
どうも様子がおかしい。例えるなら『ゾンビ』のような歩き方でフラフラ歩いている。
「こんな夜中におかしいなぁ。」
と思いつつ、ふと前の車に目をやると、
キキキキキキッ
急ブレーキを踏む前の車。
ぶつかりそうになりながら私も急ブレーキ!!
前の車から運転手のバイトが降りて、急いで私の車のドアに走りよって来た。
バイト「小野さん、今の見ましたか?」
上ずった声で、そいつは私に語りかけた。
AXE「もしかして、黒い服着た、髪の長い女性?」
バイト「そうです!!途中で消えたんですよ。フウッと…」
AXE「マジか!!俺も確かに見たよ。」
車に乗っている他のアルバイト数人もそれを目撃していた。
念のため、全員で車を降りて橋の隅々まで、その『女性』を捜索してみる。
バイト「間違いないですよ。幽霊です。消えるところ見ましたし…。」
全員、青くなった。恐怖した。急いで車に乗り込むバイト達。
その時、まだ遠くにいたインスストアの女の子が2人がいた。その2人を残して車を出発させたのだ…。
これはね、『いつものお約束』になっている、『おいてけぼり作戦』なのだ。本物の幽霊が出たというのに、この鬼畜のような行為。自分でも鬼だと思う。
『おいてけぼり』に気がついた2人は車に全力で走りよってくる。
「待ってーーーーーーー!」
半狂乱の2人がバックミラーに写る。車の中は爆笑が起こる。幽霊を見た後の爆笑。本当に不謹慎な俺達。
ほどなくして、橋に戻ると、泣きじゃくる2人がしゃがみこんでいる。無事に助け出し、帰宅することにした。
でもあれは間違いなく…幽霊だったのだろう。
夏の終わりに怖い話、第2弾でした。