【 07年09月02日 】AXE死亡説 前編
「小野さんが死んじゃったよ…。」
まだ相模原店の店長をする前の19歳の夏休み。無類のアウトドア、フィッシング好きの私は、ある情報をキャッチした。
奈良県の山の中に天然の湖があり、その湖は、ほとんど人が入っておらず、ブラックバスが繁殖していると言うのだ。しかも、人の存在を知らないブラックバスは警戒心を持たずに釣れ放題だという。
確かに奈良の地図を調べてみると、その湖は存在する。かなりの山奥で道など無く、どこをどうやって行けばいいのか検討もつかない…。
「たどり着けるのか?」
という疑問が真っ先に浮かぶが。
しかし、噂を聞いたからには行くしかない!!
急遽、メンバーを集める。
以前のコラムで紹介した現在プロ釣り師で活躍中の男、その男の友達で、これまた釣り好きで水産学校に通う男。その他、バイトしていたインストアの女性3名を含めた6人だ。
危険が予想される計画になぜ女性が3人もいるのか?
これは、私を含めた男3人だけで釣りに行くと…24時間、釣りをしてしまうんですよ。本当に釣り馬鹿ですから。5日間の予定で、ヘタすると120時間、飯も食わずにぶっ通しで釣りしてしまうアホなんです。
女性軍には申し訳ないが、
「俺達が釣りしてる間に、ごはん作っといてね。」
とお願いをした。
まさにワンピースでいうところの『サンジ』的な役割のために連れて行ったのだ。
と言っても、他にも理由がありますよ。
◎男3人では色気がない。やはり♂ですから♀もいた方がやる気が出る。下心もありますし…。
◎本人たちも「行きたい!」と熱望したんです。
ですから私は、そんな鬼畜な人でないことを頭に入れておいてください。
私が最年長の19歳。全員、未成年。今考えると、よく計画できたものだ。こんな危険な釣り&キャンプ、しかも場所は遠い奈良県の山の中。みんな親には秘密だったのだろう。
メンバーは揃った。全工程5日間なので、6人用テント、6人乗りの車を用意した。
それからもう一つ重要なアイテム。
『ボート』だ。
湖にはもちろんボート屋などない。陸から釣ろうにも人が入っていないため釣りができる足場もないだろう。
ということで、この釣りのためだけに30万円のエンジン付きボートを購入した。
船舶の免許は持っていない。無免許でも人がいないのだから捕まるはずもない。
これで装備は万全。車の上にボートを乗せ、アウトドアグッズを満載し、食糧と『リポビタンD』をケースごと大量に積み込み、いざ、出発だ。
目的地まで15時間の運転。これがしんどい。車の運転免許を持っているのは私ともう一人だけ。1人で7時間半の運転だ。
高速へ乗り、命をかけ、目指せ奈良の前人未到の山へ!!
つづく…